Concept -コンセプト-
禅僧となり、より優美な石庭を目指せ-
第一回東京ドイツゲーム賞 大賞受賞作品。
枯山水とは、水を使わずに自然の美しさを表現した日本庭園のスタイルのひとつです。
まさかボードゲームで枯山水を造るとは!
その発想力は驚きの一言。インパクト絶大のこのゲーム、プレイも滅茶苦茶面白いのです!
個人的には『徳』を積む、というシステムが、フレーバーとあわせて最高です。
こだわりのコンポーネントも素晴らしく、触ってるだけで楽しくなります。
量産体制が整ったとのことで入手しやすくなっているそうです。いまがチャンス!
Introduction -ゲーム情報-
作者:山田 空太 絵:ママダ ユースケ
公式HP:『枯山水 新装版』http://www.newgamesorder.jp/games/stone-garden
プレイ人数:
プレイ時間:
パッケージ内容:
- 寺院ボード 1枚
- 庭園ボード 1枚
- 砂紋タイル 80枚
- 名庭園カード 14枚
- 作庭家カード 9枚
- 石 25個
- 禅僧駒 4個
- 円相駒 4個
- 早見表 4個
- 説明書 1部
Components -コンポーネント-
パッケージです。描かれているのは夢窓疎石。モノトーンに苔の緑が美しいデザインです。
最大の特徴コンポーネント、石。このシンプルかつ弩級のオブジェクト。触ってるだけでもほっこり。
石です。個人的には立石(大)が好きです。
砂紋タイルです。全部で80枚。ふ、ふつくしい…
苔! ゲームシステムとしても重要です。
寺院ボード。ここがゲームのベースになります。ゲームではこんな感じに-
タイルと石と駒がおかれます。ワクワクしますね!
庭園ボード。ここにプレイヤーが石庭を作っていきます。実際にできると-
こんな感じになります! 得点が高くなると、自然と美しくなっていくデザインが秀逸!
各種カードたち。ゲームの戦略に幅を与えてくれます。
作庭家カード(左)と名庭園カード(右)
禅僧駒と円相駒。配色が独特。わかりやすいですね。
こだわりのコンポーネントは圧巻の一言。
特に石は最高です。持っているだけでちょっとフフフな代物です。
しっかりしたディティールが世界観を支え、それでいてゲーム性を損なわない。
こだわりとユーザビリティーを両立させるのは至難の技だった思います。美事!
砂紋タイルも作りがしっかりしていて、タイルを打ちたくなること間違いなし。
ボードゲーム、という言葉もほとんど聞かない人にでも極大のインパクトを与えられるこのコンポーネント、ぜひお手にとってみてください!
Rule -ルール・遊び方-
◇Flow -ゲームの流れ-
枯山水では、より美しい石庭を作る=高いポイントを稼ぐことが目的となります。
雅な気風のゲームですが、じつはバチバチの対戦型というのも面白いポイントですね。
では禅僧となるために、まずは準備です!
<準備>
①それぞれのプレイヤーに庭園ボードを配ります。
※ここに石や砂紋タイルを置いていきます。
※向きは右下に緑の枠(タイル置き場)がくるようにします。
※2~4人まででプレイできます。
※庭園ボードの右下の色がプレイヤーの色=禅僧駒の色になります。
②寺院ボードをプレイヤーの中央に置きます。
※ここでそれぞれのプレイヤーのポイント(徳)を確認できます。
③砂紋タイルをすべて裏返し、よくかき混ぜます。
※砂紋タイルは砂タイルと苔タイルの二種類がありますが全部まぜます。
④混ぜた砂紋タイルをいくつかの山にし、寺院ボードの置き場に積みます。
※場所はコンポーネントを参考にしてください。
⑤石を寺院ボードの石置き場におきます。
※遊ぶ人数によって石の数が変わります。
横石 | 立石(小) | 臥石 | 立石(大) | 舟石 | |
2人 | 4個 | 5個 | 2個 | 3個 | 1個 |
3人 | 5個 | 6個 | 3個 | 4個 | 2個 |
4人 | 6個 | 7個 | 4個 | 5個 | 3個 |
⑥禅僧駒とおなじ色の円相駒を、寺院ボードの”0”に置きます。
※徳ポイントを表示します。徳ポイントが大事!
⑦名庭園カードをシャッフル。全員に1枚ずつ配ります。
※残りのカードは使いません。見ないように!
※自分のカードは隠したまま。見せないように!
⑧作庭家カードもおなじく全員に1枚ずつ。
※ワイルドカードのようなものです。うまいタイミングで使おう!
ゲームの準備は以上です。
そんなに大変な準備ではありませんので、慣れればすぐにはじめられます。
ではさっそく禅僧になって石庭を作りましょう!
<プレイの方法>
枯山水では【手順1】と【手順2】があり、それぞれのプレイヤーがこの両方を実行していきます。
【手順1】
開始時に積んであるタイルを1枚選んで引きます。その後以下の4つを選び1つ実行します。
- 『配置』:引いたタイルをすでに配置したタイルに隣接するようにおく。
- 『譲渡』:希望者に引いたタイルを渡します。徳を2点獲得します。
※このとき譲渡してもらったプレイヤーは即座に庭園にタイルを置きます。 - 『廃棄』:引いたタイルを置かずに捨てます。徳を1点失います。
※廃棄したタイルは箱に戻します。 - 『保管』:引いたタイルを仮置き場(右下の緑のエリア)に置きます。
※後の手番で【手順1】の時に『配置』できます。
この【手順1】のとき、ターンプレイヤー以外は何もアクションができないのでしょうか。
いいえできます!
強奪:手番プレイヤーが手順1で引いたタイルを、
①仮置き場に『保管』
②庭園ボードに『配置』
のどちらかを宣言した場合、徳2点を支払えば、そのタイルを奪い取ることができるのです!
なんという不徳な行為! 最高です!
ただし、誰かに『譲渡』する場合にはそのタイルは強奪できないので注意です。
徳の高い行いにはかないません。諦めましょう。
これらのいずれかを選択したら、【手順2】に入ります。
【手順2】
ここでは4つの中から1つを選んで実行します。
- 座禅:徳を1点獲得します。
- 禅僧駒の移動:現在の禅僧駒がいる場所から、1マス移動させる。
- 石の獲得と配置:徳を0に戻すことで石を獲得します。禅僧駒のある縦列のタイル上に石を配置します。
- 作庭家カードの使用:カードに書かれた効果が得られます。
重要になるのが徳ポイントと禅僧駒の位置です。
徳がなければ高いポイントの石を獲得できない。
でも移動しなければ狙った場所に石を配置できない。
この徳と駒とのジレンマがこのゲームを面白くしています。
石の配置は最初に配られた名庭園カードに書かれた配置にすると、高いポイントが獲得できるので、積極的に狙っていきましょう!
ターンプレイヤーから始まり【手順1】【手順2】を実行。
終了次第、次の手番プレイヤーにターンが移ります。
ゲームの終了条件は以下の通りです。
①いずれかのプレイヤーがタイル15枚すべてを置く。
②タイルがまだ終わっていないプレイヤーは『配置』『保管』のみを実行します。
※すでにタイルが置かれているプレイヤーは【手順2】のみを行います。
※この際強奪はできません。
③すべてのプレイヤーが15枚タイルを置き、石庭が完成した時点でゲームは終了です。
ゲームが終了したら、最後に得点計算に入ります。
このゲームでは数多くの得点獲得方法があり、より高いポイントを稼ぐと、自然と石庭が美しくなっていく、という素晴らしいデザインになっています。
得点計算の詳細については公式リファレンスシートをご参考ください。
おおまかな流れは以上になります。
ただし、細かいルールについてはかなり端折ってしまっているので、実際のプレイングについては、ゲームを直に触ってみてください!
◇Advice -アドバイス-
徳を積みましょう。
ゲームだけではなく、プレイングについても紳士的に。
あまり強奪に走らず、だんだんと積み上がっていく石庭に心を癒されてください。
実際の話、強奪を繰り返すと石の獲得が遅れてしまいなかなか点数が稼げない、なんてことも。
あまり熱くならず、姿が浮かび上がってくる枯山水にときめく。
そんな楽しみ方も一興ですよ。